VirtualHereというソフトウェアを使ってネットワーク経由でMacからICカードリーダACR1251CL-NTTcomを接続してみました。 ついでに、VPN経由で自宅のUSBデバイスに接続できるかも試してみました。

この姿のMacは...

今年はMacからe-Taxで確定申告するので、 Mac用にICカードリーダACR-1251CL-NTTComをつないで使えるようにしました。

が、しかし、MacがこのICカードリーダに繋がれているあられもない姿は見るに堪えません。 IMG_0874

と言うか、Macbookにケーブルでデバイスをあれこれと接続するのイヤなんです。 そこでVirtualHereでICカードリーダをネットワーク経由で使えるようにしてみました。

VirtualHereって?

VirtualHereはClientーServer型のソフトウェアです。下図はVirtualHereホームページから引用したものですが、 Server側にUSBデバイスをUSBケーブル接続し、Client側からIPネットワーク経由でそのUSBデバイスに接続します。USB over IPとかUSB/IPという技術のようです。 VirtualHere-Diagram700

参考サイト:
VirtualHere Home
今回は、MacでVirtualHere Clientを動かし、 QNAP NASにICカードリーダを接続してVirtualHere Severを動かします。 VirtualHere構成図

セットアップ

セットアップというほど難しいことは何もないのですが、 備忘録として書いておきますね。

VirtualHere Serverセットアップ

QNAP NASの場合、QNAP用のVirtualHere PKGが用意されているので、App Centerからクリックしてインストールするだけです。 スクリーンショット_2017-01-23_14_31_43

VirtualHere Clientセットアップ

VirtualHere USB Client ページからVirtualHere for OSXをダウンロードします。 ダウンロードしたファイルVirtualHere.dmgを開いて、VirtualHere.appをアプリケーションフォルダにドラックアンドドロップしてインストール完了。 59
そして、VirtualHere.appをクリックして起動すると メニューバーにVirtualHereのアイコンが出てきます。 アイコンから「show」を選択すると、

25
VirtualHere Clientのウィンドウが立ち上がります。 そして「QNAP Hub」という名前で自動的にVirtualHere Serverが検出されます。 21
これでVirtualHere Clientのセットアップ終わりです。

なお、VirtualHere Serverのライセンス未購入の場合はトライアル版とダイアログが表示され、1Serverで1 USBデバイスのみの制限があります。ライセンスを登録すると購入したサーバに対して無制限のデバイスが接続可能になります。

ICカードリーダをつないでみる

QNAP NASにICカードリーダACR1251CL-NTTComをつなぎます。こういう姿になります。 otherAppsImage 2
するとICカードリーダが検出されて「ACR1251CL...」が表示されました。 07
さらに「ACR1251CL...」のところをダブルクリックすると「In use by you」となります。 これでUSB接続された状態ですね。 55
ここで、必要ならデバイスドライバをMacにインストールします。 私は先日、e-Tax環境のセットアップをしたときにICカードリーダのドライバをインストール済みなのでOKです。

ICカードリーダを使ってみる

では、ICカードリーダにマイナンバーカードを乗せて、e-Taxで使う「JPKI利用者アプリ」で動作確認してみます。 05
Macに直つなぎのときと同様にICカードリーダが認識できて、 26
マイナンバーカードの証明書も参照できました。 スクリーンショット_2017-01-21_12_16_25
一応、証明書の有効性も確認しておきましょう。大丈夫でした。 58

おまけでUSBメモリ

USBメモリもちゃんと接続できました。 Read 6MB/sec、Write 3MB/secとちょっと遅いですが普通のUSBメモリ程度に使えます。 46

じゃぁVPN経由で

以下の構成でVPN経由で接続。

  • Macはmineo SIM(docomoプラン)のiPhoneでテザリング
  • 自宅はフレッツ光+楽天BB
  • MacのVPNクライアントから自宅のQNAP NAS上のVPNサーバにL2TP接続
VPN経由で接続した場合、VirtualHere Serverを自動で検出できないようです。 なのでUSB Hubsを右クリックで「Specify Hubs...」でVPN側のQNAPのIPアドレスを登録すると 検出できました。 09

JPKI利用者アプリからICカードリーダへのアクセスは反応がかなり遅いですが使えました。 外出先から自宅のICカードリーダへ。これは意外と実用的な気がします。

一方、USBメモリは、一応、読み書きできるのですが、激遅で100KBのファイルコピーに10秒程度かかりました。 これはちょっと使うの厳しいですね。

まとめ

これで無事に以前どおりMacbook Proはスマート&シンプルな姿を取り戻せました。

VirtualHere ClientはMacOSのほかにWindowsとLinuxがありますし、 VirtualHere ServerもMacOS、Windows、Linuxを含め他にも各種NASやRaspberry Piなどのプラットフォームで動かせますので適用範囲広いと思います。

みなさんのマシンもケーブル地獄から解放してあげませんか?